整体と医学的メカニズム

当院が行う整体の主なテクニックと理論

仙骨後頭骨テクニック(SOT)

SOTはアメリカのカイロプラクティック医師であるM.B.ディジョネットが確立したテクニックで、仙骨と後頭骨の関係性から名づけられた施術方法です。

仙骨と後頭骨は脊髄神経を覆っている硬膜という膜で固定されており、この膜の中を脳脊髄液(CSF)が循環しています。

脳脊髄液は中枢神経の保護や栄養の補給、老廃物を運び出す役割をしており、後頭骨と仙骨の規則的な動き(CRI:第一次呼吸メカニズム)によって全身の神経を循環しています。

もし疲労やストレスで身体が歪んでしまうと、硬膜が捻じれ、脳脊髄液の循環も滞り、脳・神経の機能や回復力が低下してしまいます。

SOTは、四肢・脊柱・内臓・骨盤・頭蓋骨を調整し、脳脊髄液の循環を整えることで、脳・神経の機能を正常化することを目的としています。

出典:SOTO-JAPAN:SOT(仙骨後頭骨テクニック)とは

クレニオセイクラルセラピー(CST)(頭蓋仙骨療法)

CSTはアメリカのDr.ジョン・E・アプレジャーD.O.により始められた施術です。とてもソフトなタッチで施術を行うので、赤ちゃんからご年配の方まで安心して受けていただくことができます。

頭蓋と仙骨は硬膜によって連動し独自の動きを持っており、それをクラニアルリズムインパルス(CRI)と言います。このCRIの制限を緩和することで、体液循環(脳脊髄液・血液・リンパ液の流れ)を改善し、免疫システム、脳・神経機能を正常化します。

出典:THE UPLEDGER INSTITUTE JAPAN:クレニオセイクラルセラピー(CST)とは

ソマトエモーショナルリリース(SER)(体性感情解放)

SERはCSTから発展したメソッドで、過去の精神的ストレスや感情などに対してアプローチしていきます。その際はCSTでも指標にしているをCRIを使用します。

過去のストレスは身体に残り、それが不調に繋がることもあります。それにアプローチすることで、クライアントを深いリラックスに導くことができます。

メカニカルストレスにより脱水し癒着した組織、繰り返す炎症により線維化した組織に対し、鍼はとても有効です。

近年の脳科学研究が証明した「脳のデトックスシステム」

近年の脳科学研究では、睡眠中を中心に脳脊髄液(CSF)が脳の隅々まで行き渡り、老廃物を洗い流す仕組み(グリンパティック・システム)が解明されています。この脳脊髄液の循環が滞ると、脳内に疲労物質や老廃物が蓄積し、視床下部などのストレス中枢が過敏に反応しやすくなります。

「Glymphatic System(グリンパティック・システム)」が、現代医学において「脳のデトックスシステム」としてコンセンサスを得ている主要な論文(エビデンス)は以下の3点です。

概念の提唱と発見(基礎エビデンス)

睡眠中のデトックスの実証(脳のデトックスシステムの語源)

  • 論文名: Sleep drives metabolite clearance from the adult brain.
  • 著者・雑誌: Xie, L., Nedergaard, M. et al. / Science (2013)
  • 睡眠中、あるいは麻酔下において、脳内の細胞間隙(間質腔)が約60%拡張し、CSFの流入量が劇的に増加することで、覚醒時よりも効率的に脳内の代謝老廃物が除去されることを証明しました。「睡眠による脳のデトックスシステム」として世界的にコンセンサスを得た決定的な論文です。

この動画は、グリンパティック・システムを発見・提唱した第一人者であるマイケン・ネーデルガード教授本人が、脳の代謝需要と睡眠時における脳脊髄液の循環メカニズムを解剖生理学的な視点から直接解説しています。

ヒトにおける存在の実証(臨床エビデンス)

  • 論文名: Brain-wide glymphatic enhancement and clearance in humans assessed with MRI.
  • 著者・雑誌: Ringstad, G. et al. / Brain (2017)
  • これまで動物実験中心だったグリンパティック系が、ヒトの生体内でも同様に機能しているかをMRI(グリドニウム造影剤の経時的追跡)を用いて検証。ヒトの脳でもCSFが脳全体に広がり、24時間かけて排泄されている動態を可視化し、臨床的な事実として確立しました。

当院は整体で脳脊髄液の循環不全とストレス耐性へアプローチします

HPA軸の司令塔である「視床下部」や「下垂体」は、脳の最深部に位置しています。これらが正常に機能するためには、物理的な圧迫がなく、脳のデトックスシステムが健全に働いている必要があります。

当院が専門とするSOTやCSTの理論において、この骨格ラインは非常に重要視されています。仙骨の歪みやCRIの乱れが起こると、脳と脊髄を包む「硬膜」に持続的な緊張が生じます。

硬膜の緊張は、脳脊髄液の円滑な還流を妨げ、下垂体周辺の環境に物理的なストレスを与えます。その結果、HPA軸のフィードバック機構に狂いが生じ、ストレスに対する耐性(閾値)が著しく低下して、さまざまな不調を誘発しやすい身体環境を作ってしまうと考えられています。

当院では、この硬膜の緊張を解放して脳脊髄液の循環を整えることで、過敏になったHPA軸のストレス耐性を引き上げ、アドレナリンの過剰分泌を起こしにくい身体作りをサポートします。

この記事の執筆・監修者

初田輝夫

新京橋治療院 院長 初田 輝夫
  • はり師・きゅう師(国家資格)
  • 臨床分子栄養医学研究会認定カウンセラー

新宿医療専門学校 鍼灸学科を卒業後、鍼灸整骨院で臨床経験を積みながら、セミナーにてカイロプラクティック、オステオパシーの技術を学ぶ。2013年に独立し、新京橋治療院を開院。現在は医師主催の分子栄養学セミナーで得た知識をもとに、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患を中心に施術を行う。

アトピーや副腎疲労に悩む方へ整体と分子栄養学の両面からアプローチしています。お一人で悩まず、お気軽にご相談ください。


当サイトのコンテンツは、分子栄養療法専門の医師が主催するセミナーおよび臨床講座から得た一次情報をベースに構成されています。解剖生理学、生化学など事実に即した信頼性の高い最新情報の発信に努めています。