良性発作性頭位めまい症でお悩みの方へ

良性発作性頭位めまい症(BPPV)は三半規管内に入り込んだ耳石の動きで起きます。
本来、前庭に固定されている耳石(カルシウムの結晶)が何らかの原因で脱落し、三半規管に入り込んでしまいます。更年期以降の女性に多いことから、一般的には加齢やホルモンに関係していると考えられています。

BPPVはめまいの中で4割を占め、頭を特定の位置にすると起こるめまいです。

  • 起き上がる
  • 横になる
  • 上を向く下を向く

めまいは数十秒から長くても数分と比較的短いですが、再び頭を同じ位置にするとめまいが誘発されるのが特徴です。

一般的な良性発作性頭位めまい症の治療

BPPVの原因となる耳石は時間とともに溶けてなくなるので、ほとんどの人は自然寛解しますが、耳石が再度脱落してしまうとめまいも再発してしまいます。また時間が経過しても自然寛解しない場合もあります。
一般的に転倒しない範囲で体を動かす、めまい体操などが推奨されています。

最新の研究による耳石が脱落する原因

BPPVは、内耳に耳石が脱落し、三半規管に入り込むことで起こります。この原因として近年多くの研究が行われ、「骨粗鬆症やビタミンD欠乏」がBPPVに関連があると科学的に示唆されています。

研究によるとBPPV患者はそうでない人に比べて、骨粗鬆症や骨量減少の割合が高いとされています。(1.7~3倍以上)

骨粗鬆症BPPVは関係ないように見えますが、カルシウム代謝と言う点で関係してきます。 耳石は炭酸カルシウムの結晶でできているので、全身のカルシウム代謝が乱れることで、骨の再吸収(骨を壊す働き)が亢進し、耳石の構造が脆くなる剥がれやすくなると考えられています。

またカルシウム代謝に異常があると、耳石のサイズが巨大したり、密度が低くなって脆くなる現象も観察されています。

2020年以降の研究では、ビタミンDが不足しているBPPV患者にサプリメント補充を行うと、えまいの再発率が大幅に減少することが示されています。

つまりPBBVは単に耳の内部の問題ではなく、全身のカルシウム代謝や骨代謝が影響しているということです。

副腎疲労から見た良性発作性頭位めまい症の原因

副腎疲労はストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が乱れた状態です。これが次の3つのルートで耳石のトラブルを引き起こします。

骨吸収(脱灰)促進

コルチゾールが過剰に分泌されると、破骨細胞を活性化させ、骨吸収を促進します。骨吸収(脱灰)すると骨からミネラルであるカルシウムが溶け出します。その結果、耳石を脆くし、剥がれやすくなります。

ビタミンDの不足

ビタミンDは骨の再形成に必要な栄養素です。副腎疲労により消化吸収力が低下してしまうとビタミンD不足を招き、耳石の再形成や保持が困難になります。

マグネシウムの枯渇

身体はストレスがかかると大量のマグネシウムが消費されます。マグネシウムはカルシウムのブラザーイオンでもあり、この2つが協力して働きます。もしマグネシウムが不足すると、骨からカルシウムが溶け出したり、不要な場所に沈着する可能性があります。

整体分子栄養学で良性発作性頭位めまい症へアプローチ

BPPV、耳石の脱落にはカルシウムなどのミネラル代謝異常が関係しています。これらを整えるには、副腎ケアを行い、副腎疲労(脳疲労)を改善していくことが必要です。

めまいがある身体は緊張が強くなり、リラックスできない状態です。整体で身体を緩めリラックスさせることで身体は回復しやすくなります。また脳脊髄液の循環を促すので、脳(神経)も回復しやすくなります。

ミネラルの問題は、ただ栄養を足したり引いたりすればいいというものではありません。ビタミンDは脂溶性のため、消化吸収力が低下しているとうまく吸収できません。またアドレナリンをバンバン出すような生活を続けながら、サプリを足していっても終わりのない対症療法になってしまいます。

分子栄養学では、消化吸収をサポートし、身体がリラックスできる状態を作り、副腎疲労(脳疲労)の回復を助けます。

めまいへの整体×分子栄養学アプローチ

当サイトのコンテンツは、分子栄養療法専門の医師が主催するセミナーおよび臨床講座から得た一次情報をベースに構成されています。解剖生理学、生化学など事実に即した信頼性の高い最新情報の発信に努めています。


Association between vitamin D deficiency and benign paroxysmal positional vertigo (BPPV) incidence and recurrence: a systematic review and meta-analysis(ビタミンD欠乏症と良性発作性頭位めまい症(BPPV)の発症率および再発率との関連性:系統的レビューとメタ分析)*2024年
35件の論文(計9,843名)を解析。ビタミンD濃度が低いとBPPVの発症率が高まるという負の相関を確認しました。
https://bmjopen.bmj.com/content/14/4/e077986

Vitamin D Supplementation and Recurrence of Benign Paroxysmal Positional Vertigo(ビタミンD補給と良性発作性頭位めまい症の再発)2024年
2020年以降の最新データを含む12件の研究を分析。ビタミンD不足がある患者に対し、サプリメントで補充を行うことで、再発率および一人当たりの再発回数が有意に減少することを示しています。
https://www.mdpi.com/2072-6643/16/5/689

Association between bone mineral density and benign paroxysmal positional vertigo: a meta-analysis(骨密度と良性発作性頭位めまい症の関連性:メタアナリシス)発表年:2019年 / 著者:Yu et al.

良性発作性頭位めまい症(BPPV)と骨密度(BMD)低下の関連性は、これまでにも多くの小規模研究で報告されていましたが、結論にはばらつき(議論の余地)がありました。本研究は、過去の質の高い複数の論文を統合・解析(メタアナリシス)し、「骨密度の低下(骨粗鬆症・骨減少症)が本当にBPPVの発症リスクを高める要因になっているのか」を統計学的に明確に評価することを目的としました。

Correlation Between Benign Paroxysmal Positional Vertigo and Bone Mineral Density: A Systematic Review and Meta-Analysis(良性発作性頭位めまい症と骨密度の相関:システマティックレビューおよびメタアナリシス)発表年:2024年

これまでの研究でBPPVと骨密度(BMD)の関連は示唆されてきましたが、2024年という最新の視点で、より広範囲なデータ(12の研究、合計3,822名の参加者)を統合し、その相関関係を決定づけることを目的としています。特に、「性別による差」や「閉経後の女性におけるリスク」に焦点を当てています。

この記事の執筆・監修者

初田輝夫

新京橋治療院 院長 初田 輝夫
  • はり師・きゅう師(国家資格)
  • 臨床分子栄養医学研究会認定カウンセラー

新宿医療専門学校 鍼灸学科を卒業後、鍼灸整骨院で臨床経験を積みながら、セミナーにてカイロプラクティック、オステオパシーの技術を学ぶ。2013年に独立し、新京橋治療院を開院。現在は医師主催の分子栄養学セミナーで得た知識をもとに、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患を中心に施術を行う。

アトピーや副腎疲労に悩む方へ整体と分子栄養学の両面からアプローチしています。お一人で悩まず、お気軽にご相談ください。