「アトピーには保湿」というのがまだ一般的ですが、最近では脱保湿の方法や経過を紹介しているブログやYouTubeなどが増え、「アトピーは保湿をしない」という認識も広まってきてます。
でも、脱保湿をしたらみんなが良くなるわけではなく、次のような人もたくさんいます。
- リバウンドが悪化し手に負えなくなる
- 数ヶ月もリバウンド状態が続く
- 肌のボロボロが良くならない
- ひどい状態は過ぎたけど、きれいな肌にならない
- あきらめて保湿や薬を再び使う
なぜ脱保湿で良くならない人がいるのでしょうか?
実は脱保湿の方法は人によって異なるので、ブログやYouTubeのマネをしてもうまくいきません。
なぜなら、その人と自分とでは次のようなことが違うからです。
- 体の硬さ、筋肉量
- 1日の活動量は?
- どんな運動をどのくらいしているか?
- どれくらいの保湿依存なのか?
- どんな保湿や薬を使っているのか?
- 食事の量、何を食べているか?
- 入浴方法は?
- 水分の摂取量はどのくらいか?
- 休息はとれているのか?
- どんな肌着を着ているのか?
- どんな寝具で寝ているのか?
- 部屋の空調は?
- 住んでいる地域の温度や湿度は?
- 精神的なストレスは?
これだけたくさんの条件が違うので、うまくいかないのは当然ですよね。
じゃあ、ひとりで脱保湿するのはあきらめたほうがいいのか?
いいえ、そんなことはありません。
脱保湿は肌や体のことを理解すれば、ひとりでも安全にできます!
ここでは
脱保湿時のリバウンドを最小・最短する方法
について解説するので、これから脱保湿を始めようと思っている人はぜひ読んでください。
また次に当てはまる人は、早めに脱保湿を検討したほうがいいです。
- 保湿すると余計にかゆくなる
- 皮膚が真っ赤・赤黒い
- 汁が止まらない
- 傷口がグジュグジュ
脱保湿のリバウンドを
最小・最短にするポイント
脱保湿のリバウンドを最小・最短にするには、肌を乾燥させ、血行をアップさせることが必要です。
その方法とポイントを説明します。
- ウォーキングでむくみの改善
- ランニングで皮膚の血流アップ
- 水分制限
- 入浴制限
- 保湿効果となるものを除外
- かさぶたをキープ
ウォーキングでむくみの改善
- 肌が赤い
- 肌が熱を持っている
- ムレやすい
- 浸出液が出てくる
強い保湿依存の肌は、すでに皮膚や体全体がむくんでいます。
このむくみがあるとリバウンドが強くなり、浸出液がなかなか止まりません。
すると、皮膚を作ることができず、治るまでに時間がかかってしまいます。
皮膚を作るためには、浸出液を止め、肌を乾燥させることが必要です。
このむくみはウォーキングで減らすことができます。
とくに一日中デスクワークの人は、たくさんウォーキングをしてください。
休みだからといって、家の中に一日中いるのやNGです。
必ず毎日外出してください。
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ランニングで肌の血行をアップ
- 脱保湿後、少し炎症が落ち着いた
- 落屑が多い
- かさぶたを繰り返す
- 変化が出なくなった
このような人はランニングのように少し負荷のある運動が必要です。
ランニングは心肺機能を働かせるので、肌の血行をよくし、ターンオーバーをすすめてくれます。
ただし、炎症や湿疹の強い人が負荷のある運動をし過ぎてしまうと、肌のダメージが強くなり、生活がしづらくなってしまいます。
運動量は肌と相談しながら決めましょう。
肌の血行をよくすると、新たな炎症や湿疹が現れます。
炎症や湿疹で傷ができたときは、運動量を減らして傷を回復させましょう。
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脱保湿と水分制限
- 赤みが抜けない
- 浸出液が止まらない
- グジュグジュで皮膚ができない
- 寝汗をかいている
- 汗が出やすい
- 肌がいつもムレている
これらの状態が続くと角質がふやけてしまい、肌が治りません。
この原因の1つが水分の摂りすぎです。
摂取した水分は、尿、皮膚、呼吸、便から体の外へと出ていきます。
出ていく水分量が1番多いのは尿で、その次に多いのが皮膚です。
必要以上に水分を摂りすぎてしまうと、皮膚からでる水分も増えてしまうため、赤み、かゆみ、湿疹、浸出液の原因となります。
さらに皮膚がふやけてしまうので、かさぶたができず、傷口も塞がりません。
「アトピーは水分をたくさん摂ったほうがいい」という情報から、1日2リットル以上も飲まれる人がいますが、これをしてしまうとアトピーは悪化してしまうので、必要以上の水分は飲まないでください。
脱保湿のための入浴制限
脱保湿のポイントは、皮膚をふやかさない、必要なかさぶたを剥がさないことです。
そのために入浴方法や入浴時間を調整しなければいけません。
脱保湿の初期は、湯船に浸かるのは避け、2~3分の弱めのシャワーのみにしましょう。
勢いの強いシャワーで浴びていると、必要なかさぶたを剥がしてしまうので気をつけてください。
また最低週1回は綿のタオルと石鹸で体を洗ってください。
皮膚が安定してきたら、10分ほどの湯船も可能です。
アトピーに評判のある温泉もこの時期から入っても構いません。
保湿効果のあるものを除外
マスク
顔のアトピーを隠すためにマスクをする人は多いですが、マスクをしていると口元が呼気で保湿されてしまうため、顔はいつまで経っても治りません。
見た目は気になってしまいますが、脱保湿で治すと決めたなら、マスクはしないようにしてください。
肌着
肌着は綿素材のものをお勧めします。
綿素材は肌の余分な水分を吸ってくれます。
ただ汗をかいた後、肌着を湿ったままにしておくと、痒みの原因になるので注意してください。
次のような肌着はなるべく避けてください。
- 化学繊維の肌着
- ピタッとするもの・スパッツなど
- ムレてしまうような厚着
寝具
肌がムレたり、寝汗をかくような寝具は避けてください。
特にウレタン素材の敷布団は湿気を通しづらいため、肌がムレやすくなります。
商品説明に通気性がいいと記載があっても、ウレタン素材自体通気性が悪いので、なるべく使わないほうがいいでしょう。
夏は空調を利用して寝汗をかかないようにしてください。
冬も寒いからといって、布団をかけすぎるとムレてしまうので注意してください。
長時間の汗
「アトピーは汗をかいたほうがいい」という情報から、汗をかき続ける人がいますが、長時間の汗は角質をふやかしてしまいます。
ふやけた角質は保湿力が無いので、ガサガサ、ゴワゴワしていて、分厚くなるとひび割れを起こしてしまいます。
運動以外で長時間汗をかいた状態にするのはなるべく避けましょう。
加湿器
冬になると風邪やインフルエンザの予防のため、加湿器をつけたくなる人も多いと思いますが、脱保湿をすすめるなら加湿器は不要です。
実際、乾燥した環境で生活しているほうが、肌も喉も強くなります。
かさぶたをキープ
脱保湿を始めると炎症が起きた後、かさぶたが現れます。
このかさぶたはダメージを受けた肌にとって絆創膏の役割を果たすものなので、無理に剥がさないでください。
肌が治らない理由としてよくあるのが、見栄えが悪いからという理由でかさぶたを全部剥がしてしまったり、イライラした時に癖で掻いてしまうことです。
せっかくできたかさぶたを毎回剥がしていると、肌は治ることができません。
じゃあ、かゆみが我慢できないときはどうすれば?
と疑問になりますよね。
我慢できないのは掻いて大丈夫です。
寝てるとき無意識に掻くのも仕方ないです。
我慢できない範囲で搔いても、肌はゆっくり回復に向かうので安心してください。
でも見栄えや癖で掻き剥がしている人は、治りがかなり遅くなるので注意しましょう。
では、いつまでかさぶたをつけたままにしたほうがいいのでしょうか?
例えば、手で軽くさすってボロボロ落ちるようなかさぶたは、すでに不要なので、入浴時、石鹸と綿タオルで洗ってください。
顔は手に石鹸をつけ、指の腹で洗ってください。
脱保湿の期間と経過
脱保湿をはじめると、1~2週間ほどでかさぶたができます。
何回かターンオーバーを繰り返して丈夫な肌になります。
症状が軽く、早い人であれば1~2ヵ月できれいな状態になります。
何度もかさぶたを繰り返したり、赤黒さが抜けないときは、肌の血行不良が考えられるので、運動で血行をよくしたり、整体で体を柔らかくする必要があります。
くすみが取れない 同じ赤みがずっと続いている ゴワゴワがなくならない 皮がボロボロ落ちる こんな状態が続いて、 自分は一生このままの肌なの? と不安に思ったことはないですか? 実はこの状[…]
難治性アトピーは落ち着くのに半年以上の期間がかかります。
体の状態や生活環境にもよりますが、ほとんどの人は1ヵ月以内でリバウンドのピークを迎え、上下を繰り返しながら、落ち着いていきます。
最後に
以上、脱保湿のリバウンドを最小・最短にするためのポイントをお話ししました。
ずっと保湿していた人にとっては、脱保湿というのは抵抗があると思います。
でも、脱保湿をして肌が丈夫になり、痒みが減ってくると、
保湿は要らなかったんだ!
ということを確信します。
また、あの異常なかゆみは保湿が原因だったんだということも実感します。
脱保湿は人によって方法や経過が異なります。
今回説明した以外のこともたくさんあります。
もし1人で行き詰まったときは、早めにご相談ください。
追記
ネット上には脱保湿反対派意見もありますが。。。
もし、人が保湿剤のボトルを手にもって生まれてきたなら、その人は保湿剤が一生必要でしょう。
しかし、そんなことはありませんよね?
人間の体は環境や負荷に対して適応する能力があります。
この能力は非常に優れていて、体の生命力も高めてくれます。
例えば筋肉に負荷をかければ、筋組織は破壊され、2~3日掛けて超回復が起きます。
筋肉は負荷をかける以前よりパワーアップし、エネルギーや体液の循環も上がります。
マラソン選手が行う高地トレーニングは、体内の赤血球数やヘモグロビン濃度を増加させ、酸素を確保しやすい体を作ります。
自然に属している体は私たちが思っている以上に頼もしい存在ではないでしょうか。