悪者扱いされているステロイド、拒絶する人も多いかもしれません。
・副作用が怖い
・リバウンドがひどくなる
・体から抜くには何年もかかる
・ステロイドは毒
・副腎が働かなくなる
・皮膚が薄くなる
・肌が黒くなる
私はステロイドに悪い印象はありません。なぜなら、これらのネガティブな情報は事実に基づいていないからです。
その理由は次の2つ。
・ステロイドだけ使用している人は稀
・ほかに悪化させている原因がある
まず、ステロイドでリバウンドがひどくなるという話ですが、これを判断するにはステロイドだけ使っている人の経過を見ないと分からないです。実際、ほとんどの人が保湿剤も併用しているので、ひどくなる原因がステロイドだと判断できません。(処方された塗り薬には、ステロイドと保湿剤を混合したものもあります)
一方、保湿剤だけを使っていても悪化もするし、リバウンドも起こります。「ステロイドはイヤ、でも保湿ならいいかな」と考える人が多いので、保湿剤だけでひどいリバウンドを経験する人が多いんです。
リバウンドが一番少ない人は、かゆいときだけちょこちょこステロイドを塗っている人です。皮肉なことですが、真面目にスキンケアしてる人より、適当な人のほうが悪化やリバウンドが少ないです。
ほかには大量の水分摂取や長時間の入浴、運動不足、菌の増殖なども、アトピーの悪化、リバウンドに影響してきます。
このように悪化の原因がすり替えられているせいで、必要な時にステロイドを使えない人が多いです。
ここでは、こんなときは我慢しないでステロイドを使ったほうがいいというのを説明していきます。
私は絶対ステロイドは使わない!
という人ほど読んでいただきたい。
なぜかというと、自分に選択肢を残しておいた方が心に余裕がでるからです。
何があってもステロイドを使わず耐える!
というのは、エネルギーと時間を浪費してしまうし、とても効率が悪いです。結果が同じなら効率がいい方を選びたいですよね。
私は医者でも薬剤師でもないので、薬の使用について指示することはできません。あくまでも参考として聞いてください。
ステロイドを使うときのポイント
まずステロイドを使うときの条件やポイントをまとめました。
目的や方法を間違えると、再び脱ステするのが大変になるので必ず読んでください。
ステロイドのみのものを使う
ステロイド外用薬は保湿剤と混合されていないものを使ってください。薬の名前が印字されたチューブのものです。(蓋つきの容器に入ったものは、保湿剤と混合されています)
患部だけに塗る
予防で症状のないところまで塗らないようにしてください。
べったり塗らない
ステロイド外用薬はステロイド+基剤(ワセリン、クリーム系)なので、保湿剤の作用も含んでいます。べったり塗り続けていると保湿剤の作用で悪化する可能性があるので気をつけましょう。
塗る目的を明確にしておく
ステロイドは生活の質を上げる、傷を一旦回復するために塗ります。アトピーを改善させるために塗るわけではありません。もしよくするために塗り始めたのであれば、やめられなくなってしまいます。
傷を全部回復させようと思わない
肌が変化するとき、必ず傷はできます。その傷まで全部治そうとするのは、結果的にアトピーの改善を遅らせることになります。
2週間以上は使わない
2週間塗っても効果がないなら、他に原因があるのでそちらを探したほうがいいでしょう。
脱保湿をしていること
これは重要です。
保湿剤で悪化しているなら、保湿剤をやめなければいけない。これは当たり前のことですが、ステロイドで炎症を抑えていると気づきにくいです。
今、ステロイドと保湿をしている人は、ステロイドを継続しながら脱保湿するのがベターです。
悪いものだと思って使わない
薬を毒だと思いながら使っていると体は緊張します。使うときはネガティブな感情は捨てて使ってください。
こんなときはステロイドを使おう
かゆみで寝れない
かゆみで何日も寝れないと次のリスクがあるので、その場合はステロイドの使用を検討しましょう。
・疲労が取れない
・肌が改善しない
・体力が低下
・劇症化や感染症の可能性
・うつっぽくなる
死にたくなるくらい辛い
死にたくなるくらいならステロイドを使って、一旦心を休ませましょう。そこまでして耐えるメリットはありません。
一時的に赤いのを隠したい
明日、人前に出る、大切な商談があるなどで、一時的に赤みを隠したいなら、ステロイドを単発で使っても構いません。ただしこれが頻回に続くようであれば、トータルの改善は長引きます。
まとめ
ステロイドでアトピーを根本から改善することはできませんが、うまく使えばたくさんのメリットがあります。
・よく寝れて体力が回復する
・精神的に負担を減らせる
・傷を減らしたい
・仕事を優先できる
アトピーの改善は長い道のりで、想定外の悪化も付きものです。そんなときステロイドの選択肢があると安心できます。
ちなみに私がステロイドをすすめている理由は皮膚科や製薬会社がすすめている理由と違うので一緒にしないでください。