アトピーの保湿依存について徹底解説!

保湿依存とは

保湿依存とは保湿剤の長期使用により皮脂腺や汗腺が機能低下し、皮膚自身の保湿力が低下した状態です。

アトピーの保湿依存の症状とは

アトピーの保湿依存は定期的に保湿をしないと乾燥、かゆみ、痛みなどの症状が現れます。とくに入浴後は皮脂が落ち、角質の水分が飛びやすくなるので乾燥が強くなります。
保湿依存の強い人は、乾燥による症状が辛いため保湿せずにいられません。保湿依存の軽い人は、「乾燥肌だから保湿しようかな」という程度だったりします。

どうして保湿依存になるの?

保湿依存になる理由は2つあります。

1つ目は、肌が保湿剤で潤っている環境に慣れてしまい皮脂の分泌が低下してしまうからです。
この理由を否定するお医者さんもいますが、私は今までの臨床経験からこれは事実だと考えています。
またこれとは逆のパターンで洗い過ぎで皮脂の分泌が増えてしまうこともあります。例えば、毎日シャンプーする人は頭皮の皮脂分泌が増えます。逆に湯シャンに移行すると皮脂分泌は減ります。つまり皮膚は常に環境に適応しようとしているということです。

2つ目は、保水力のない角質が表皮に余っているからです。
保湿すると角質は皮膚から剥がれづらくなります。そして身体を洗うとき、その角質を落とさないでいると、保水力の角質が表皮に溜まっていき乾燥症状が強くなります。するとさらに保湿が必要となり悪循環に陥るわけです。この事実はほとんどの人が気づいていません。

最初は軽い乾燥肌でも強い保湿剤を塗り続けていると、乾燥肌はひどくなり保湿依存も強くなります。

保湿依存は改善するの?

保湿依存を改善するには保湿をやめること(脱保湿)が必要ですが、多くの場合、角層の肥厚、血行不良、皮下組織の癒着によりスムーズにいきません。そのために次のようなことを気をつける必要があります。

  • 石鹸とタオルで身体を洗う
  • 入浴時のピーリング
  • 血行を促進する運動
  • 筋膜の癒着を解消

いま保湿が当たり前になっている人にとっては信じられないかもしれませんが、最終的に保湿は不要になります。

保湿依存にもリバウンドがある

アトピーで保湿している人はたくさんいますが、とくに生活に支障がなければ保湿に疑問を抱く人は少ないでしょう。しかし、赤くなったり、痒みが強くなってきた場合、重度の保湿依存を疑わなければいけません。

重度の保湿依存になれば、脱保湿時のリバウンドも強くなり、生活に支障をきたします。一方、軽い乾燥肌で脱保湿するのであれば、リバウンドも軽症で済みます。保湿依存から抜け出すには早めがおすすめです。

乾燥肌に対しての考え方

皮膚科、美容、化粧品、CM、すべてで肌への保湿は推奨されてますが、これは本当に正しいのでしょうか?

体は自然へ順応する能力があり、肌も乾燥に順応することができます。もちろん順応されるまでは一時的に乾燥肌は続きます。これを待たないで保湿を続けることは、この能力を抑制していることになるので、いつまで経っても乾燥肌を解決することはできません。

私はすべての保湿を否定しているわけではありません。ただ乾燥肌を一時的でも許容することができない考え方に問題があると思っています。なぜならこの考え方によって保湿依存という医原病が発生しているからです。

保湿依存でアトピーが悪化している人へ

何年も保湿してきた人にとって、保湿をやめるのは怖いかもしれません。

その気持ちも分かります。

保湿をやめると肌がガビガビになり、皮がボロボロ落ちるのでいい気分はしません。ひとの目も気になり、外出するのも嫌になるかもしれません。ただこんな未来を想像して悩み続けても、未来はなにも変わりません。何年も同じことをしてきてよくなる手ごたえがないなら、これから先同じことをしてもよくなることはないでしょう。

ひとりで悩むのに疲れた方はご相談ください。お力になれると思います。

アトピーと臨床の最新情報はこちら