脱ステを失敗し、標準治療に戻ってしまう人は多いです。また脱ステしたけれど、悪化状態が長く続いてしまう人もいます。脱ステのリバウンドは精神的、体力的にかなりの負担がかかってしまうので、なるべく軽くして乗り切りたいところだと思います。
今回は私の臨床経験から、脱ステを失敗してしまう理由を上げていき、対策方法も紹介していきたいと思いますので、ぜひ参考にしてください。
脱ステを失敗してしまう理由①
腸内環境を整えていない
腸内環境の乱れはアトピーの主要な原因になります。しかし残念ながら皮膚科では皮膚しかみないので腸内環境の問題はスルーされてしまいます。この状態でステロイドを使い続けることも問題ですが、腸内環境の悪化原因を放置したまま脱ステするのはかなりリスクが高いです。
腸内の良性菌の減少、悪性菌の増殖、粘膜の免疫低下、リーキーガットなど
腸内環境が乱れている人は消化力が低下している可能性が高いので、食生活を整えるのと同時に消化酵素も併用しなければいけません。また内臓の回復には良質な睡眠、ミトコンドリアがエネルギーを回せるよう適度な運動が必要になります。
薬だけでアトピーを治そうとしてきた人のほとんどはこれらの基本ができていないので、脱ステをする前に食事や生活習慣を改善することが大切です。
脱ステを失敗してしまう理由②
肝臓の解毒力が低下している
腸内細菌のバランスが悪いと悪性菌の細胞壁(LPS)が身体に炎症を引き起こします。これが肝臓にも炎症を引き起こしてしまい、肝臓の機能を止めたり、MRP1タンパク質の機能を阻害してしまいます。
つまり腸内環境の悪さが肝臓の解毒力の低下に繋がり、アトピーを悪化させてしまうということです。
悪性のグラム陰性菌の細胞壁を構成するリポ多糖。エンドトキシン(内毒素)
エンドトキシンは胆汁の流れを減少させる
脂肪の消化、解毒(脂溶性毒物の排泄)、抗菌、甲状腺ホルモンの活性化
胆汁不足だと脂溶性ビタミンが吸収できず、脂溶性の毒物(メチル水銀、農薬、マイコトキシン)が排泄できない。
薬物代謝に関わるタンパク質。脂溶性の薬物・異物や不要物を細胞外へ排出する。
これを改善するためには腸内細菌のバランスを整えることが必要です。
またアトピーの人に限ったことではありませんが、身体が疲労した人は肝臓で鬱滞が起こっていることが多いです。おそらく肝臓が炎症を繰り返すことにより線維化や硬化が起きているのではないかと考えられます。
この場合、整体で肝臓をほぐすことで循環がよくなり、肝臓の機能も改善しやすくなります。施術後は肝臓周りがすっきり感じる人が多いです。
脱ステを失敗してしまう理由③
保湿をしている
脱ステして保湿をやめない人がいますが、これは脱ステを失敗する可能性が高いです。なぜなら保湿は炎症を悪化させるからです。
リバウンドの炎症のところに保湿でさらに炎症を強くしているので、体力的にも精神的にもかなり消耗してしまいます。
脱ステを成功させるには脱保湿もセットで行い、皮膚を乾燥させていきましょう。
脱ステを失敗してしまう理由④
入浴で治りを悪くしている
入浴方法は肌の状態や目的によって変えなければいけません。
例えば脱ステで炎症が強くなっている人は長時間の湯船は避け、短時間のシャワー、もしくは脱風呂(入浴自体しない)にする必要があります。もし長湯してしまうと治りかけの角質がふやけ、皮膚の治りは遅くなります。
これは皮膚のターンオーバーや治り方を理解すれば防げることなのですが、多くの人がこの知識を持っていません。また情報発信者も個別の状況や脱ステの条件を考慮していないで発信しているので、それが自分に当てはまらないこともあります。
入浴は重要なので当院では毎日LINEでサポートしています。とくに脱ステ直後は患者様自身が判断するのは難しいので不安な方はご相談ください。