アトピーのための良質な睡眠

睡眠は身体のダメージの修復するための大切な時間です。睡眠を良質なものにするためには、

  • 1日のリズムを整える
  • 日中のアドレナリン過多を防ぐ
  • 夜のリラックス
  • カフェインフリー
  • 夜間低血糖対策
  • 通気性のいい寝具
  • 快適な室温湿度をキープ
  • 適度な換気

が必要になります。

このページではこれらのポイントについて解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

痒みで寝れないときは
生活習慣の見直しが必要

「夜中ずっと痒みで寝れなく、朝方やっと寝れる」

このような方は多いのではないでしょうか?

寝るときに痒くなるのは、さまざまストレスで自律神経に負担がかかっているからです。

とくにアトピーの場合、炎症そのものが強いストレスとなり、自律神経に負担をかけ続けます。また寝れないことで身体へダメージがさらに蓄積するので、悪循環に陥ってしまいます。

炎症への対策は日常生活や就寝時に悪化させないこと。そして、必要な栄養を摂って、自然に任せるしかありません。 就寝時の対策は本ページで説明していますので参考にしてください。

その他にできることは

  • いつも肌のことで悩んでいる
  • 普段から緊張が強い

これらの習慣がある人は、自律神経に負担をかけ続けているので、すぐ改善したほうがいいでしょう。

肌のことで悩んでも、肌はよくなりません。むしろ、ストレスで治りは悪くなります。肌のことで悩む時間がなくなるほど、身体を動かしてください。運動や掃除、なんでも構いません。

緊張が強い人は、低血糖(血糖調節障害)になっている可能性があるのえ、補食で低血糖対策をすることをおすすめします。また普段から食事量が足りていない可能性もあるので、摂取カロリーを確認してください。

不眠が続いている場合、身体のダメージも回復できていません。回復させるためには睡眠が必要です。その睡眠のために自律神経を休ませなければいけません。

どうにも頭の中で思考や不安がぐるぐるめぐり、安心できな人は自分でどうにかしようとすることを諦めてください。

あなたは無力です。
すべて自然に明け渡しましょう。

明け渡せれば、心身はリラックスできます。

通気性のいいマットレスを使う

炎症のある皮膚は熱と水分を発散しているため、敷布団やマットレスは通気性のいいものを使いましょう。

おすすめはファイバー系マットレスや敷布団です。とくにファイバー系は敷布団よりも通気性がよく、衛生管理も簡単です。

そして避けてほしいのはウレタン素材のマットレスです。

これは湿気を通しにくく、身体との接触面で熱がこもりやすいという性質があります。背中の皮膚に痒み、湿疹、色素沈着が現れているなら、マットレスの影響を受けているかもしれません。

今ウレタンマットレスを使っているのであれば、通気性のいいマットレスに変える、もしくは通気性のいいマットレスをトッパーとしてその上に敷いて直接身体に接しないようにしてください。

エアコンはつけっぱなしにする

梅雨や夏の暑い時期、エアコンで切タイマーを使うと、寝汗をかいたり、自律神経に負担がかかってしまいます。エアコンをつける際は、タイマーは使わずつけっぱなしにしてください。

不快な室温、湿度は身体にとってストレスなので、積極的にエアコンを使いましょう。

適温は暑くも寒くもない温度です。または23、24度くらいにして冬布団で寝ても構いません。

適度な換気をして酸欠を防ぐ

気密性がいい建物では24時間換気があっても酸欠になる恐れがあります。

  • ずっと身体がだるい
  • たくさん寝たのに眠い
  • やる気が起きない
  • 頭が回らない
  • 外出すると元気になる

このような人はすでに酸欠になっているかもしれません。定期的な換気、もしくは窓を少し開けるなどの対策をみてください。酸欠でだるかった人が換気をして寝ると朝快適に起きれることが多いです。とくにエアコンを使う時期は閉め切ることが多いので注意が必要です。

窓を開けっ放しにすると外の埃やすすが入ってきて気になるという人もいるかと思います。そういう方には網戸に張るフィルターがおすすめです。

参考:ニトムズ 網戸用 花粉フィルター

睡眠のリズムは固定する

まず睡眠は身体の修復に関わるので、睡眠時間は最優先で確保してください。そして次に大切なのは寝る時間帯や生活のリズム(概日リズム)を固定することです。

概日リズムを正しい時間に固定することで、身体の修復に必要なホルモンを効率よく作用します。

例えば、成長ホルモンは夜0時にピークに達するので、22時までには布団に入るようにしてください。

また成長ホルモンはピークに達したあと低下し、コルチゾールが切り替わるように上昇してきます。これは寝ている間も血糖値を維持するシステムになっていて、良質な睡眠には欠かせません。

もし睡眠リズムの乱れや寝不足があると血糖調節がうまくいかず、自律神経の乱れが睡眠の質を低下させます。

概日リズムに合わせた生活習慣にすることで、疲れた身体は修復しやすくなります。

シフトワーカーは仕事を変えたほうがいい

シフトワーカーの方は概日リズムの調整が難しいため、副腎疲労の改善が難しくなります。重度の副腎疲労、重い症状の人は日勤の仕事に変更してもらったほうがいいでしょう。

仕事を変えるなんてムリ!と思う方もいるでしょう。これは優先順位の問題で健全な心身を維持できなければ、今の仕事どころか、生活がいずれ破綻します。せっかく治療に取り組んでも長期間かかってしまい、途中で離脱する可能性も高くなります。

治すと決めた以上、治る環境を用意して万全の状態で取り組むことが大切です。

夜間低血糖を防ぐ

食事制限で夕食を抜いたり、摂取カロリーが足りないと、就寝中、血糖値が不安定になり身体が休まりません。

身体のダメージが強い時期はバランスのよい夕食を摂りましょう。

カフェインを摂らない

カフェインは睡眠の質を低下させてしまいますが、普段から摂取が多い人はその自覚がないことも多いです。1日3杯以上飲んでいる人は徐々に減らし、15時以降は摂取しないようにしましょう。

カフェインの効果は24時間続くので、朝しか飲まなくても翌朝まで効果があるということを覚えておいてください。

加湿器は要らない

冬に加湿器をつける人は多いですが、暖房で強烈な乾燥にならない限り、基本的に加湿器は要りません。とくに脱ステ、脱保湿初期の人は肌を乾燥させないといけないので、加湿器がデメリットになってしまいます。

加湿器をつけないと喉を痛めるのではないかと心配になると思いますが、身体の粘膜も乾燥に順応するので乾燥に強くなります。ただ今まで加湿器やマスクに頼ってきた人がいきなりつけなくなると、喉を痛める可能性があるので、徐々に慣らしていきましょう。

夜はリラックスする

快適な睡眠のためには夜リラックスしていることが大切です。そのためには日中から気をつけなければなりません。その事例をいくつかご紹介します。

①仕事のオンオフの切替ができていない

寝る直前まで仕事をしている人は、就寝2時間前までには終わらせ、リラックスモードに切替えましょう。

②日中のストレスが高すぎる

日中のストレスでアドレナリンが出すぎると、それを寝るときまで引きずってしまうことがあります。もしストレス過多な仕事や生活が続いているのであれば、その環境を見直したほうがいいでしょう。

③日中、低血糖を頻発している

低血糖はアドレナリン過多を招いてしまうので、それが夜まで引きずってしまうことがあります。その場合は補食を取り入れることで防げます。

寝る前のスマホやネットはやめる

スマホの光は覚醒させる効果があるので就寝1時間前までにやめましょう。布団には持ち込まないようにしてください。

またSNSやネットニュースは興味を引きやすい内容(批判や怒り)になっているので、就寝前に限らず、付き合い方を考えたほうがいいでしょう。

良質な睡眠のために、夜に興奮することはなるべく避けてください。

アトピーと臨床の最新情報はこちら