ネットで「アトピー 保湿」と検索すると、
・アトピーは保湿が大切!
・アトピーは脱保湿!
のようなことがたくさん出てきます。
さて、この真逆の主張はどちらが正しいのでしょうか?
結論からいうと、ゴール設定によって、どちらも正しいです。
ここでは保湿派と脱保湿派のそれぞれの主張をあげながら、どうして保湿がいいのか?脱保湿がいいのか?について解説していきます。
この記事を読んでもらえれば、アトピー改善のゴールが明確になり、自分は保湿か? 脱保湿か? の選択ができるようになります。
保湿派と脱保湿派はゴール設定が違う
①アトピーは保湿
②アトピーは脱保湿
なぜ、このように真逆の答えがあるのかというと、主張する人のゴール設定がそれぞれ違うからです。
①アトピーは保湿が必要という人は、
アトピーはよくならない病気。
生活しやすいように一生コントロールしながら付き合っていきましょうという考えです。
一方、②アトピーは脱保湿という人は、
アトピーは改善する病気。
肌自身の保湿力を高めることができるので、外から保湿しなくても大丈夫という主張なんです。
標準治療を行う皮膚科の先生のスタンスは①で、実は標準治療のガイドラインでもアトピーは完治しないことを認めています。
えっ?って思いませんか?
実はこれを知らない人、多いんですよ。
治療の最終目標(ゴール)は,症状がないか,あっても軽微で,日常生活に支障がなく,薬物療法もあまり必要としない状態に到達し,それを維持することである.また,このレベルに到達しない場合でも,症状が軽微ないし軽度で,日常生活に支障をきたすような急な悪化がおこらない状態を維持することを目標とする.
お客様はよくすつもりで通院しているのに、皮膚科の先生はよくなると思って治療はしてない。だから、ステロイドや保湿剤でアトピーが よくなる? ならない? の論争自体が無意味なんです。
一方、脱保湿でアトピーは改善するという皮膚科の先生もいます。この先生は後者の②です。②の先生は標準治療をしても、アトピーがよくならないことを知っています。その上で脱保湿や脱ステでアトピーを改善することを目指しているのです。
これを聞いて、みなさんはどちらの方法を選びますか?
一生アトピーと付き合っていくか。
薬も保湿も要らない肌を目指すか。
これはみなさん自身が決めることです。
情報に振り回されないようリテラシーを身につけよう
ネットの情報をみるときも注意が必要です。
・よくなりました!
・改善しました!
これらの言葉をストレートに受け取らないようにしてください。
保湿をして乾燥のかゆみがなくなっただけで、よくなったという人もいるし、この保湿剤に変えたら、私の肌に合う!=よくなった!という人もいます。
もし今、保湿のしすぎで悪化している人がこれらの言葉を信じて保湿を続けると、さらに悪化して手に負えなくなります。
自分が今どこにいて、どのゴールを目指したいのか?
これを明確にして情報に振り回されないようにしましょう。
保湿のメリットとデメリット
保湿のメリットは症状の一時的な緩和です。また、ガザガサの肌が耐えられない人にとっては心の安定剤になります。逆にいうと、こういう方は肌に執着しているので保湿がなかなかやめられません。
一方で保湿を続けるとアトピーが難治化してしまうデメリットがあります。アトピーが難治化してしまうと、脱保湿時のリバウンドがとてもきついです。なので、2週間以上、保湿を続けないほうがいいです。
とくに次のような人は注意して下さい。
・乾燥が異常だと思い込んでいる
・潤っていないと気が済まない
・湿疹があることが許せない
・見た目が気になる
・人の言うまま保湿している
・食事、睡眠、運動などは後回し
脱保湿だけしていればよくなるというわけではない
誤解のないようにいいますが、脱保湿だけしていればよくなるわけではありません。実際に当院にいらっしゃるお客様は、脱ステ・脱保湿したけどよくならないという人ばかりです。
では、どうすればいいか?
詳しくこちらでお話ししています。
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今すぐ脱保湿したほうがいい場合
・保湿してもかゆみが増す
・肌が赤黒くなっている
・炎症がある
・浸出液がでる
すぐに脱保湿したほうがいい場合とは、すでに肌が炎症でむくんでいる状態です。そのまま保湿を続けると、さらに炎症が強くなり、異常なかゆみと痛みを起こします。
どうしても、
保湿をやめる勇気がない
もう訳がわからない
という人は至急ご相談ください。
まとめ
保湿する、しない、で混乱している人が多いので、今回はそれぞれの主張を交えながら解説しました。
私のスタンスからいうと保湿は不要です。
保湿を続けてもいい結果は得られませんし、むしろ悪化のリスクがあります。一番悲しいのは、自分はよくするつもりなのに、改善しない方法を選んでしまっている人がいることです。このようなミスマッチが起きないよう、自分で考えないといけません。