臨床からわかる!大人アトピーの原因

臨床からわかる!大人アトピーの原因

大人アトピーの原因についてお話していきます。 臨床経験をもとにしているので参考になると思います。

この記事は次のような方におすすめ
  • 色々試したけど、痒みの理由が分からない
  • 脱ステ・脱保湿したけどアトピーが良くなならない

大人アトピーの原因の考える上で重要なこと

アトピーの原因は、人・タイミング・環境によって違ってくるので、一言で「これがアトピーの原因です」と言えないのが難しいところです。 今は情報が手軽に発信できて、すぐ手に入る時代なので、アトピーで悩む人にとってはより混乱してしまうのではないでしょうか。 アトピーの原因を考える上で重要なことがあるので、それについてお話しします。 

あなたのアトピーの原因が、今と昔で同じとは限らない

例えば、「昔は保湿をしていて落ち着いていたけど、今は保湿をしても悪化してしまう。」というパターンがあったとします。 このパターンに陥る人は非常に多く、本人は原因に気づきにくいです。 なぜなら、昔と今とでは肌の状態や環境が違うので、昔から信じて使っていた保湿剤が悪化原因であることを見落としてしまうからです。
きっと本人は悪化原因が保湿剤であることに気づかないため、他のことを色々と試すでしょう。 もしその中でもっと強力な保湿剤を選んでしまったら、症状は更に悪化します。

このように今の状況に対し盲目になっていると、解決策までたどり着くことはできません。 必ず今にフォーカスしてください。 そして、体や肌の状態によって原因が変わるということを覚えていてください。 

ちなみに昔保湿をしていたことが最善の治療法であったわけではありません。 昔も保湿しなければ肌が安定しない原因があるので、それを解決しなければいけません。 これは今保湿でアトピーを治そうとしているすべての人に言えるわけです。

一般的に悪化原因が違うアトピーでも一括りにされ、「アトピーの原因は○○!」「アトピーには○○が有効」という無知な風潮があります。 私からすると肌の状態や原因はそれぞれ違うので、間違った対応をしてしまうと、火に油を注ぐことになりますのでご注意を。

アトピーの原因は重複していて、すべての原因を同時に解決しないと改善しない

これは自転車などのダイヤル式の鍵をイメージしていただけると分かりやすいです。 鍵はすべての番号が合わないと開きません。 仮に1つの番号だけ正解しても鍵は開かないので、その番号が正解かどうかももわかりません。

アトピー治療も同じで、1つの原因を解決できていても他の原因が解決できていなければ、肌は改善せず、解決できた1つの原因への対処も本当に正しかったかどうか分からないのです。

アトピーの原因には優先順位がある

アトピーを治そうと食べ物に気をつける人は、たくさんいるのではないでしょうか。 こだわる人は有機栽培のものをわざわざ取り寄せる人もいます。

農薬が体に及ぼす影響はゼロではないと思いますが、アトピーが悪化したり、治らない原因になることは臨床上ほぼありません。

逆にそういうのを気にする人に限って、1日中家の中にこもりっきりだったり、全く運動していなかったりします。
その人たちの特徴は、お金で解決出来るような他力的事はするけど、運動のような自力の努力を避けようとする傾向があります。 また、暇さえあればアトピーの原因をネットで探して、当てはまるようなことがあれば、勝手に不安になって落ち込む傾向もあります。
暇があるから思考が働いて不安になるのですが、もし不安になる暇があるなら、少しでも体を動かしていたほうがよっぽど体にとってプラスです。

話は少しそれましたが、それ以外にも優先順位を間違って、エネルギーの注ぐ場所を間違えている人はたくさんいます。
アトピーのシンプルなメカニズムを理解すると、このボタンの掛け違えのようなことは起こりづらくなります。

悪化のような症状でも、悪化とは限らない

アトピーを完治させるためのプロセスで、症状がすべて減っていくとは限りません。 逆に症状が強くなることもあります。 その中の代表的な2つを説明します。

痒みが強くなる

痒みが起こる理由はいくつかありますが、ここでは皮脂腺の働きで起こる痒みについてお話します。

アトピーを改善するために運動を始めてみたものの、痒みが強くなってしまい運動を辞めてしまう人がよくいます。 本人は「治すために運動しているのに、逆に痒みが強くなって悪化する」と誤解してしまうのです。

このときの痒みは運動により皮膚の血流がアップし、皮脂腺が働くことによって起きるものです。 運動後の痒みが強い人は、元々皮膚の血流が悪いため、このような痒みが強く起きてしまうのです。 しかし、痒みが強くなるからといって運動しないわけにはいけません。 皮膚の血流が悪いままでは一生肌は完治することはありません。 運動をして皮膚の血流を上げるしかないのです。

このように治るためには体に備わる機能をどんどん働かせなければいけません。 その上で起こる症状は受け入れる必要があります。

乾燥で皮膚がガサガサ・ボロボロになる

アトピーの完治には脱保湿が必要です。
保湿依存や難治性アトピーの人が脱保湿をすると、本人もビックリするくらい肌がかさぶたでガサガサになります。
本人にはあらかじめ説明していますので、周りの家族の方が不安になることもよくあります。
今まで保湿して潤いを保ってきたせいか、ガサガサやボロボロの肌はどうしても異常だという風に捉えられてしまいます。

かさぶたも傷ついた肌が治るために必要なプロセスなので、正しい理解が必要です。

大人アトピーの原因

体の歪み

アトピー性皮膚炎の主な症状である湿疹は、その漢字からも分かるように「湿(しつ)」という水の意味を含んでいます。 この水が皮膚に出てきて湿疹になるわけですが、なぜ、この水が湿疹になってしまうのでしょうか。 その原因は「体の歪み」にあります。

体の歪みとは、筋肉が緊張して骨や関節を引っ張り、体が硬くなっている状態です。 この状態では筋肉が自然に伸び縮みできず、体の水である体液がスムーズに循環できなくなります。 そして、滞って行き場を失った体液が皮膚から出て湿疹になってしまうのです。

人間は体の中を一定の環境に保っています。 それを内部環境の恒常性(ホメオスタシス)と言い、その能力が生命を維持するために体へアトピーを表現します。 アトピー体質の決め手は内部環境の恒常性を代償する場所が皮膚であるかどうかです。 つまり、肌が弱い人は優先的に体液を肌から排出するということです。

体の歪みで体液循環が悪くなってしまうと、代償として皮膚からの排泄(皮膚炎)肺気管支からの排泄(喘息)鼻粘膜からの排泄(鼻炎)が起こります。

このような話を聞くと「アトピーは肌の保湿力がなくなり、乾燥によって炎症が起きているんじゃないの?」と疑問を抱かれる方もいるでしょう。 実は乾燥による炎症は肌の修復機能で起きます。 ややこしいですが皮膚の生理作用とアトピーの悪化原因がごちゃ混ぜになっているせいで、間違って解釈している人が非常に多いのです。 これについてはまた改めてお話ししたいと思います。

腎臓の疲労

腎臓は、血液をろ過して尿を作ったり、ホルモンを作って分泌をする働きがあります。
腎臓は代謝物の処理や気候の変化に対応し、常に体内の環境を一定に保とうとしていますが、その負担が増えたり、休息が取れず疲労が抜けきらないと、内臓-体性反射として体に歪みを作ります。
内臓-体性反射とは、内臓疲労が骨格筋を緊張させ、体を守ろうとする防御反射です。 特に腎臓は大腰筋(体幹の筋肉)との関連が強いため、体に強い歪みを作ります。

睡眠不足により疲れが取れていない

疲れを取る方法は?と聞くと皆さんどのようなことを思い浮かべるでしょうか。 実は疲れを取る方法は睡眠しかありません。 整体やマッサージ、温泉などは疲れを回復しやすい状態を作っているだけで、その場で疲れが取れるわけではないんです。

人間は疲れると重力に対して姿勢を維持しにくくなります。 そのとき補正をきかせて(身体を緊張させて)姿勢を維持します。 もし疲れが睡眠によって解消されないと、この補正(緊張)がいつまでも取れないので、筋肉が緊張したままになります。 筋肉の緊張が抜けないとむくみの原因となって、湿疹が現れます。

睡眠の質が悪かったり、時間が少ない方は一度睡眠について見直してください。

痒みや痛みのストレス

皮膚に痒みや痛みがあるとストレスで体に力が入ります。 もしそのストレスがずっと続いたらどうなると思いますか?
筋肉と筋膜は凝り固まり、体液循環の低下神経の興奮を起こします。 体液の循環が低下すると皮膚に栄養が行きわたらなくなり、回復する力が低下します。 またリンパの働きも悪くなり、代謝物の回収もスムーズにできません。 神経の興奮は洋服のスレや乾燥、温度変化、熱刺激(入浴など)で強い痒みを起こします。 特に湿疹周辺の筋肉はその影響をダイレクトに受けるので、痒み・痛み → ストレス → 敏感 → 痒み・痛み → ・・・のようなスパイラルに陥ってしまいます。

重症な肌トラブルが長期化すると患部の関節が動かしづらくなります。 一見、皮膚がつっぱり痛みで動かせないように見えるのですが、実際はその皮下組織筋膜が固まって動かせないことが多いです。 その場合は皮下組織と筋・筋膜に対する調整を行うと可動域が大きく広がります。

水の飲みすぎ

水をたくさん飲んでも、体はデトックスできません。 逆に体液循環の悪い人が、キャパ以上の水分を摂取してしまうと、様々な症状が出てしまいます。

アトピーの人も例外ではなく、水分が多いと湿疹が悪化してしまいます。

運動不足

スポーツをやっていて筋肉がしっかり付いている人は肌の治りも早いです。 運動により皮膚末端まで血液や体液が循環しやすくなり、筋肉がしっかり付いていると姿勢も保ちやすくなります。

運動は全員がすぐにやったほうがいいというわけではありません。 汗でかゆくなり肌を掻き壊してしまう人は軽いウォーキングからはじめてください。 また疲れている人が激しい運動をすると心臓や腎臓に負担をかけますので先に休息や施術が必要になります。

厳しいですが運動をしない人は治りません。 初診時、全員に説明しますが、それでもやらない人がいます。 そういった人は非常に改善が遅いです。 皮膚の血流が悪いのだから治らないのも当たり前です。 他力本願の気持ちではアトピーは改善しないので、そういった方はまず気持ちを改めたほうがいいでしょう。

保湿依存の肌になっている (難治性アトピー)

アトピーの標準治療はステロイドで炎症を抑え、保湿剤で肌を保護することです。 標準治療は急性期に短期間行うのは大丈夫ですが、長期間行うとアトピーの難治化を招きます。 難治化とは皮膚が塗り薬と保湿剤に依存を起こしている状態で異常なかゆみを伴います。 長期でアトピーに悩まれている人のほとんどは難治化しています。

難治性アトピーについては「あなたのアトピーが治らない原因」にて詳しく説明しています。

入浴

菌の問題

アトピー肌は乾燥、皮脂不足、傷、角質の乱れで菌に対する抵抗力が低下しています。 特に皮脂不足により表皮を弱酸性に保つことができにくいため、黄色ブドウ球菌が優勢になってしまいます。 とびひなどの感染症になってしまった場合、抗生物質などで処置をする必要もありますので、適度に肌の衛生を保ち、睡眠不足にならないことが大切です。

下の写真は菌を除去する前(左)と除去してもらった2週間後(右)の肌です。 肌が良くなってきているとき、菌の問題は見落としがちになりますので注意してください。 菌の繁殖を放置していると角質が盛り上がってきます。 そのことが左の写真から分かると思います。 菌を除去した後は角質が増えることなく肌は落ち着いてきています。

入浴時、皮脂を落としすぎている

体は乾燥すると肌を守るため皮脂を出そうとします。 アトピー肌は皮脂腺の働きが低下しているので、皮脂がでるだけで痒みになってしまうのです。
このとき、肌の掻き壊しを繰り返してしまうと一向に皮膚は回復しません。 入浴時は皮脂を落としすぎないよう注意してください。

清潔志向が強い人は1日に2回お風呂に入ったり、ボディーソープなどで体を洗いすぎていることがあります。 頻回な入浴は避け、シャワーや湯船に浸かる時間は極力短くしましょう。

シャワーの勢いが強すぎ

脱保湿しているけど皮膚が薄く赤いままという人の中には、入浴時シャワーの勢いが強すぎてかさぶたを落としていることがあります。 シャワーの勢いを弱めるか、かけ湯にして皮膚への負担を減らしてみてください。

食事

アレルギーを気にしすぎて栄養が偏っている

ここでお話しするアレルギーとはⅠ型(即時型)アレルギーでIgE(免疫グロブリンE)が関与します。
アトピーの原因はアレルギーが強く関係しているという考えがあるため、アトピーで皮膚科を受診するとアレルギー検査を行う場合があります。 その結果から食事制限を行っていると食べるものがなくなり、栄養バランスもかなり偏ってきます。

即時型アレルギーは食べた直後から数時間後に蕁麻疹、咳、皮膚が赤くなるなどの反応がでますが、実際にアレルギー検査で反応した食べ物を食べても症状がでないことが多いです。 アレルギーの検査結果はアトピーを治す上で重要でありません。 そもそも検査も不要です。 食べた後、アレルギー反応が出る食べ物についてだけ除去しください。

過度な食事制限は皮膚の治りを遅らせます。また、あれもこれも食べてはいけないという制限は精神的に強いストレスが掛かるため体の生命力も低下します。 食べてもアレルギー反応が出ないものはどんどん食べてください。

毎日同じものを食べている

即時型アレルギーのところでもお話ししましたが、アレルギーで食べ物を気にしていると食べられるものが少なくなり、無意識に同じものを毎日の食べている場合があります。 またテレビや雑誌、インターネットでこの食べ物は体にいいという情報から、それを毎日食べていることも多いです。

同じものを毎日のように食べて続けていると遅延型(IgG)フードアレルギーが発生する可能性があります。 これは即時型と違い、時間差で反応が出てきます。 本人は食べ物が原因かどうかも分からないためズルズルと長引くことが多いです。

臨床的にはヨーグルト、豆乳、納豆、野菜ジュースで反応していることがあります。 原因不明の湿疹が続く人は心当たりのある食品を2週間ほど食べないでください。

まとめ

整体治療の臨床からみた大人アトピーの原因について説明しました。 アトピーを完治するには今の状態がどうして起きているのか?原因を明確にしなけらばいけません。 しかし体自身が悪ければ炎症やかゆみの原因が何か分からなくなります。 そのためにはまず体をニュートラルにする必要があります。

今、脱ステ・脱保湿を検討されている方へ

「脱ステ・脱保湿はただステロイドと保湿をやめて耐えるだけ」と思われている人もいますが、それは違います。 皮膚の経過を見て、常に適切な対応をしなければいけません。 知識と経験が無い人にとっては、途中で不安になったり、対応を間違えいると悪化の一歩をたどります。

当院はこれから脱ステ・脱保湿を検討されている方へ個別相談にてサポートを行っております。 脱ステ・脱保湿後の状態が心配、今離脱症状で悩んでいるという方はぜひご相談ください。

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